第69章 あざとい女がすっかり冷たくあしらわれた

その夜、二人は結局たいして飲み過ぎることもなく、ほろ酔いのまま眠りについた。

翌日。南雲玲奈はいつも通り香澄を学校へ送ったのだが、校門の前で横尾孝人と鉢合わせた。

黒いスーツに身を包み、すらりと立つ男。

纏う低気圧が冬の冷気と混ざり合い、近寄りがたい距離感を際立たせている。

玲奈は見なかったことにして通り過ぎようとした。

だが横尾孝人が腕を伸ばし、進路を塞ぐ。

「俺がここにいるのが見えなかったのか」

玲奈の声も冷える。

「あなたと話すことはありません。横尾社長が離婚の件で来たのなら別ですけど」

横尾孝人のこめかみに青筋がぴくりと跳ね、眉間に冷たい影が落ちた。

「俺は香澄の...

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